まさか自分が・・・不測の事態から将来の安心へ

突然の入院で住めなくなった自宅を、将来の安心につなげた不動産コンサルティング事例

◇コンサルティング概要(Before → After

ご相談前(Before)

  • 突然の病気により寝たきりとなり、自宅へ戻れるか判断できなかった
  • 一人暮らしで身近な親族もおらず、不動産をどうすればよいか分からなかった
  • 自宅を売却すべきか、残すべきかの判断材料がなかった
  • 建物に法的な問題がある可能性も把握できていなかった

コンサルティング後(After)

  • ご本人の回復状況を見守りながら、最適なタイミングで将来設計を整理
  • 建物調査により違法建築の問題を把握し、売却方針を変更
  • リスクを抑えた契約条件で売却を実現
  • 売却資金を今後の生活資金へ充てられる環境を整えた

◇コンサルティングの詳細

1)相談者の状況

行政書士の先生を通じて、次のようなご相談をいただきました。

「一人で暮らしていた自宅で突然倒れ、首から下が動かなくなってしまいました。

命は助かりましたが、今後は寝たきりの生活になると言われています。

できれば自宅へ戻って生活したいという気持ちはありますが、本当にそれが可能なのか、自分でもまだ整理できていません。

これから住まいをどうすればよいのか、一緒に考えていただけないでしょうか。」

相談者プロフィール

相談者

  • 60代女性
  • 一人暮らし
  • 年金生活
  • 趣味は収集・コレクション
  • 今後も親族に頼らず生活していくことを希望

ご家族

  • 父母ともに他界
  • 兄弟姉妹なし
  • その他親族とは疎遠

所有不動産

  • 木造戸建て住宅
  • 築約20年
  • 住宅街に立地
  • 住宅ローンなし
  • 築年数相応の経年劣化あり

ご相談時の状況

今回のご相談は、不動産売却のご相談というよりも、「これからどのように暮らしていくべきか」という人生設計そのものから始まりました。

突然の病気によって身体が思うように動かなくなり、ご本人も現実を受け止めきれない状況でした。それでも、自宅への思い入れは非常に強く、「できることなら戻って暮らしたい」というお気持ちを大切にされていました。

一方で、ご家族による支援は期待できず、今後の生活はご自身の資産を活用しながら築いていく必要がありました。

私たちは、不動産の話を急ぐ段階ではないと判断し、まずはお気持ちの整理とリハビリの経過を見守ることを最優先に考えました。


2)抱えていた問題

今回の課題は、自宅を売るか残すかという単純な問題ではありませんでした。

主な課題は次のとおりです。

  • ご本人の身体機能がどこまで回復するか分からない
  • 自宅へ戻れる可能性が判断できない
  • 一人暮らしを続けられる環境ではなくなった
  • 今後の生活資金をどのように確保するか
  • 売却する場合の適切な方法が分からない
  • 建物の法的な状況が不明だった

さらに調査を進めると、建物には想定していなかった大きな問題が見つかりました。

建築当時の事情は不明でしたが、建物は法令上の基準を満たしていない状態で建築されている可能性が高く、新築時の検査済証も確認できませんでした。

現在では金融機関の住宅ローン審査は以前より厳格になっており、このような建物は一般の個人購入者が住宅ローンを利用しにくくなっています。

そのため、中古住宅として販売するよりも、更地化を前提として活用する事業者へ売却する方が、安全かつ現実的であると判断しました。

私たちは、建物を高く売ることだけではなく、「売却後に売主へ責任が残らないこと」も非常に重要な視点であると考えました。


3)コンサルティングを提供するために確認したこと

まず、ご本人の意思を最優先にしながら、焦って結論を出さないことを大切にしました。

約半年間のリハビリを経て、ご本人ご自身が「やはり自宅で暮らすことは難しい」と判断された段階で、本格的な売却準備へ進みました。

その後、次の内容を中心に調査・確認を行いました。

  • ご本人の今後の生活設計
  • 必要となる生活資金
  • 建物の法的状況
  • 検査済証などの建築関係資料
  • 建ぺい率・容積率など法令適合性
  • 建物の劣化状況
  • 市場価格の調査
  • 売却方法ごとのメリット・デメリット
  • 売却後の契約リスク

調査の結果、建物には違法建築の疑いがあり、そのまま中古住宅として流通させることは、購入希望者だけでなく売主にも大きなリスクが伴うことが分かりました。

そこで、建物を活用することを前提とせず、開発事業者などを対象とした売却へ方針を転換しました。

私たちは、不動産を「いくらで売れるか」だけで判断するのではなく、お客様が安心して次の生活へ進めることを最も重要な目的としてご提案しました。


4)コンサルティングを実行した流れ

① タイムチャージ型(初期相談)

ご本人のお気持ちや生活状況を整理しながら、今後の方向性を一緒に考えました。

② 実行支援型(売却準備)

建物調査や法的調査を行い、売却方法や契約条件について一つずつ整理しました。

③ ご売却サポート(現金化)

建物の特性を理解した買取事業者を選定し、契約不適合責任を免責とする契約内容を調整したうえで、契約から決済まで一貫してサポートしました。

その結果、ご本人が将来への不安を大きく減らし、新しい生活へ安心して踏み出せる環境を整えることができました。


5)コンサルティング後の感想

ご相談者様から、次のようなお言葉をいただきました。

「当初は自分の身に起きたことが理解できず、受け入れることもできませんでした。

行政書士の先生からご紹介いただき、私の気持ちや体調に合わせながら、すべてを私のペースで進めてくださいました。

現地へ行くことも、銀行へ行くこともできない中で、多くのことを代わりに調整していただき、本当に助かりました。

おかげさまで、今は次の暮らしに向けて前向きな気持ちで毎日を過ごしています。」

ご紹介いただいた行政書士の先生からも、次のようなお言葉をいただきました。

「身動きが取れない状況でありながら、ご本人の意思はしっかりされており、どのように不動産の準備を進めるべきか悩んでいました。

準備段階から最後まで丁寧に寄り添っていただき、安心してお任せすることができました。」

私たちの感想

私たちは、この事例で最も大切だったのは、不動産を売却したことではなく、ご本人が現実を受け止め、自らの意思で次の人生を選択できるまで待つことだったと考えています。

もし最初から売却を急いでいたなら、ご本人の気持ちが整理されないまま、大切な住まいを手放すことになっていたかもしれません。また、建物の法的な問題を十分に調査せずに売却を進めれば、売却後の契約トラブルにつながる可能性もありました。

私たちは、お客様一人ひとりの事情に寄り添いながら、不動産だけを見るのではなく、その先にある暮らしや人生設計まで見据えてご提案することが、本当の不動産コンサルティングであると考えています。今回も、安心して新しい生活へ歩み出すためのお手伝いができたことを、大変うれしく思っています。

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