― 税理士・司法書士・行政書士・不動産コンサルタントの役割をわかりやすく説明 ―
不動産に関する相談は、人生でそう何度も経験するものではありません。
例えば「相続した土地や建物の扱い」、「売却したいけれど問題を抱えている」、あるいは「共有名義の揉め事を避けたい」…といった悩みです。
そのため、「誰に相談すれば安心か」がわからず、不安や迷いを感じる方がとても多いのです。
ここでは、はじめて相談する人向けに、税理士・司法書士・行政書士・不動産コンサルタントの役割や、どの専門家とどんな場面で相談すると良いのか、実際の相談事例を交えながら丁寧に解説します。
目次
1.税理士
2.司法書士
3.行政書士
4.不動産コンサルタント
5.不動産業者と、コンサルタントの違い
6.まとめ
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1.税理士
「不動産 × 税金=心配だから安心したい」
税理士は、税金(税務)に関する専門家です。
不動産を相続や売却をする際、「相続税」や「譲渡所得税」といった税金が発生するケースは少なくありません。これらの税金は、計算が複雑で初めての人にはちんぷんかんぷん、ということも多い分野です。
税理士の具体的な役割としては…
- 不動産を売却や相続をした際に、どれくらい税金がかかるかを算出してくれる
- 実際に売却や相続をした際にかかる税金の申告・申請を代行してくれる
- 税務上のシミュレーションを行い、判断するための材料を提示してくれる
ある相談者のケースでは、相続した不動産を売却する際、税理士が「譲渡所得税」を計算し、売却後に手元に残る金額をシミュレーションしてくれたことで、相談者が安心して判断できた、という事例があります。
ポイント:税金は不動産の価値だけでなく、売却や相続のタイミング、また所有期間などによって変わります。税理士はこれを整理してくれる存在です。
2.司法書士
「不動産の相続や売買によって得た所有権を登記したい」
司法書士は、登記(とうき)手続きの専門家です。
不動産の所有権や名義を法的に確定させる必要がある場面では、司法書士の力が欠かせません。登記とは、ざっくり言うと「この土地・建物の所有者は◯◯さんですよ」という法的な記録を公的に残すための手続きです。
司法書士の主な業務は…
- 相続によって不動産の所有者が変わったときの「相続登記」
- 売却や贈与による「所有権移転登記」
- 不動産にあらたな権利を設定する「信託登記」「抵当権設定登記」
などです。
ある相談者のケースでは、ご両親はすでに高齢者施設へご入所されてご実家は空き家となっており、しばらく放置していたがひとまず「家族信託」を選択したという事例があります。
ポイント:不動産は「誰が持っているか?」を明確にすることがとても重要です。司法書士はその法的な骨組みをつくる役割を担います。
3.行政書士
「後見や遺言執行代行を委託したい」
行政書士は、各種行政手続きや書類作成・申請の専門家です。
その業務範囲は多岐に渡りますが、とくに不動産に関連する業務としては、後見・遺言執行があります。
行政書士の役割は…
- 後見制度利用の支援と将来への備え
- 遺言内容の確実な実現
を担う専門家です。
① 後見に関する業務
成年後見制度は、認知症などにより判断能力が不十分な方を支援する制度で、「後見・保佐・補助」の類型があります。
- 成年後見開始申立書の作成
- 家庭裁判所提出書類の整備
- 必要資料(戸籍・財産資料等)の収集
- 制度内容の事前説明
といった手続支援を行います。
また、判断能力があるうちに契約する任意後見制度では、
- 任意後見契約書(公正証書)の原案作成
- 任意後見人候補としての就任
などを行います。
家庭裁判所の判断により、行政書士が後見人・任意後見人として就任し、財産管理や生活支援、裁判所への報告を行う場合もあります。
② 遺言執行に関する業務
遺言執行とは、遺言内容を法律に従って実現することです。
遺言執行者は、相続人の代理ではなく中立的な立場で職務を行います。
行政書士は遺言執行者として、
- 相続人・受遺者の調査
- 財産目録の作成
- 預貯金の解約・分配
- 不動産名義変更に必要な書類作成
- 相続関係書類の整備
などを行います(登記や訴訟は他士業と連携)。
ある相談者のケースでは、身寄りの少ない叔父の死後、不動産手続きの第一歩として行政書士から届いた書類の案内がきっかけで相談が始まり、そこから相続の流れが整っていった、という事例もあります。
ポイント:行政書士は、書類作成力と中立性を生かして、本人・家族双方を支援してくれる専門家です。
4.不動産コンサルタント
「全体を俯瞰して、ベストな解決策が知りたい」
不動産コンサルタントは、不動産に関する幅広い相談に対応する専門家です。
不動産の相談は、税金・登記・書類・売却価格・共有名義・土地活用・建物活用といった様々な要素が絡むため、どの専門家を横断的に使えばいいかわからない…という人も多いはず。
不動産コンサルタントの特徴は…
- 不動産に関する相談全般を「俯瞰(ふかん)」して最善策を一緒に考える
- 税理士・司法書士・行政書士などと連携して問題解決を進める
- 必要に応じて「不動産のセカンドオピニオン」の立場として、中立的な視点からアドバイス
たとえば、こちらでお受けした相談事例では、
- 相続した古い建物が売れない理由を分析し、売却方針を明確にした事例
- 共有名義マンションの売却で、精神的・時間的な負担を軽くしたケース
- 相続資産をスムーズに処分し、その後の生活まで考えた提案
など、相談者の不安や悩みを丁寧に聞き取りながら進めていったケースをいくつか紹介しています。
ポイント:不動産の悩みは「一つの専門分野だけでは解決しにくい」ことがほとんど。コンサルタントはそれらの糸をまとめ、全体最適を考えてくれる存在です。
5.不動産業者とコンサルタントの違い
「売るだけ?それともアドバイスまで?」
不動産業者(いわゆる不動産会社・不動産屋さん)は、主に不動産の売買や賃貸の仲介が仕事です。どこの不動産業者でも、土地・建物の査定・売却活動・契約のサポートをしてくれます。
一方で、不動産コンサルタントの役割は…
- 目先の「売る・貸す」という手続きだけでなく
- 複数の選択肢(建物活用・土地活用、売却か保有かなど)のメリット・デメリット比較
- 税金や相続の観点も踏まえた「全体最適なアドバイス」
を目指している点で異なります。
たとえば、ある相談者は「実家の不動産をどうしたらよいかわからない」と不動産業者に相談した際、査定だけでは出口戦略が見えなかったのに、不動産のセカンドオピニオンとして不動産コンサルタントへ相談することで、今後の人生や家族関係まで含めた解決策が見えてきた、というケースがあります。
6.まとめ
初めて不動産の相談先を選ぶ時は、「なんとなく相談して大丈夫かな?」という不安があるものです。でも、専門家にはそれぞれ役割があります。
- 税理士:税金面の悩みを整理し、申告までサポート
- 司法書士:登記や名義の法的手続きを安心して進める
- 行政書士:自治体や役所の申請・書類の負担を軽くする
- 不動産コンサルタント:全体最適の視点からベストな解決策を提案
そして、不安なときほど「一人で抱え込まず」、専門家に気軽に相談することが不動産のトラブル回避や問題解決の第一歩です。不動産は大きな資産。あなたの人生や家族の未来にも関わることだからこそ、信頼できる相談先を見つけることがとても大切です。
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