老朽化した法人所有ビルを「活用」から「売却」へ。経営まで見据えた最適な資産戦略を実現
◇コンサルティング概要(Before → After)
ご相談前(Before)
- 事業の終了により、大型施設が遊休不動産となっていた
- 建物をそのまま貸し出して賃料収入を得たいと考えていた
- 老朽化と特殊な建物用途により、賃貸活用が難しい状況だった
- 複数の専門業者へ相談したものの、納得できる提案が得られなかった
- 今後の経営も含め、不動産をどう活かすべきか判断できずにいた
コンサルティング後(After)
- 建物・法人経営・財務を一体で分析し、最適な方向性を整理
- 賃貸活用と売却、それぞれのメリット・リスクを比較検討
- 売却による現金化が会社経営に最も有効であることを明確化
- 売却条件・決算時期・帳簿価格まで考慮した売却戦略を策定
- 売買契約から残金決済まで、事務手続きを一貫してサポート

◇コンサルティングの詳細
1)相談者の状況
法人の代表者様から、次のようなご相談をいただきました。
「長年運営してきた事業をこのたび終了することとなり、所有している土地と建物を今後どのように活用すべきか悩んでおります。
当初はビル再生を検討しましたが、相談した事業者からは納得できる提案が得られず、計画は進みませんでした。
また、テナントリーシング会社にも相談しましたが、建物が古く用途も特殊であるため、現状のまま貸し出すことは難しいとの回答でした。
そこで、建物の有効活用に力を入れている専門家を探していたところ御社を知り、ご相談させていただきました。
私たちが進むべき道を示していただければ幸いです。」
今回ご相談いただいたのは、複数の事業を展開されている法人の代表者様です。
長年にわたり事業を運営されていましたが、事業終了に伴い、その施設が遊休不動産となりました。
所有されていた土地は約700㎡、建物は約1,700㎡と規模が大きく、建物も教育施設として長年利用されてきた特殊な構造でした。
代表者様としては、「できるだけ追加投資を行わず、現在の建物を活かして賃料収入を得たい」というお考えをお持ちでしたが、複数の専門会社へ相談しても方向性が定まらず、今後の会社経営も含めて判断に迷われていました。
2)抱えていた問題
ご相談内容を整理すると、課題は単純な不動産活用ではありませんでした。
むしろ、
「会社経営と不動産をどのように結び付けて考えるべきか」
という点こそが、本質的なテーマでした。
当時の主な課題は次のとおりです。
- 事業終了後の大型施設をどう活用するか
- 建物の老朽化が進んでいる
- 特殊用途建築物であるため用途変更の負担が大きい
- 賃貸した場合の修繕責任が重くなる
- 改修工事には多額の費用と長い工期が想定される
- 法人所有不動産として財務面も考慮する必要がある
- 今後の会社経営に最も適した資産の持ち方が分からない
建物だけを見れば「貸す」という選択肢も考えられます。
しかし、その判断が将来の会社経営にどのような影響を与えるかまで考えなければ、本当の意味で最適な答えは導き出せません。
私たちは、不動産だけを切り離して考えるのではなく、法人経営全体を見据えて判断することが重要だと考えました。
3)コンサルティングを提供するために確認したこと
まずは代表者様のお考えを丁寧にお聞きしました。
すると、
「できるだけ追加投資をせず、現在ある建物を有効活用したい。」
というお気持ちが最も強いことが分かりました。
そこで私たちは、
- 建物の現況調査
- 老朽化の程度
- 市場で求められる建物性能
- 想定賃料
- 修繕費用
- 用途変更の可否
- 建築法令上の課題
- 法人の経営状況
- 帳簿価格
- 売却した場合の資金計画
などを総合的に調査しました。
その結果、現状のまま賃貸することは市場性・収益性の両面から難しいことが判明しました。
さらに用途変更を前提とした場合には、建築確認手続きだけでなく、現行法への適合を求められる可能性もあり、設計や改修に多大な時間と費用を要することが予想されました。
私たちは、このような状況をご説明したうえで、「建物を残すこと」が本当に会社の利益につながるのかを、経営の視点から改めて検討することをご提案しました。
その中で売却した場合の市場価格や売却諸経費、法人の帳簿価格との差額、税務上の影響、手元に残る資金の概算などを整理し、複数の選択肢を比較していただきました。
その結果、取締役会で慎重な協議が行われ、会社の将来を考えれば売却による現金化が最も合理的であるとの結論に至りました。
4)コンサルティングを実行した流れ
① タイムチャージ型(初期相談)
現状分析と課題整理を実施。
建物の状態だけでなく、土地の利用価値や法人経営との関係まで整理し、解決すべき課題を明確化しました。
↓
② 顧問型(課題解決)
継続的な打ち合わせを重ねながら、
- 建物活用の可能性
- 改修費用と収益性
- 法人経営への影響
- 売却した場合の資金計画
を一体的に検討しました。
↓
③ ご売却(現金化)サポート
私たちは、単に高く売ることだけを目的にはしません。
法人経営への影響を踏まえながら、
- 帳簿価格との関係
- 売却後の契約リスク
- 売主負担を最小限に抑える条件整理
- 決算期とのタイミング調整
- 最適な売却先の選定
まで総合的に支援しました。

5)コンサルティング後の感想
ご相談後、代表者様から次のようなお言葉をいただきました。
「先代社長から受け継いだ会社と不動産を、今後どうしていくべきか本当に悩んでいました。
特に事業として使ってきた建物は老朽化も進み、一番の悩みの種でした。
当初は『建物を貸して家賃収入を得たい』という考えしかなく、いろいろな会社へ相談しましたが、どこへ行ってもしっくりくる提案はありませんでした。
こちらへ相談すると、不動産の話だけではなく会社の経営方針まで質問されたので最初は驚きました。しかし打ち合わせを重ねるうちに、自分たちが本当に目指すべき方向が整理され、資産を会社経営に活かすには売却して現金化することが最善だと納得して判断することができました。
売却へと進めた後も価格交渉や契約だけではなく、残代金決済まで一貫してサポートしていただき、とても安心感がありました。
不動産を守ることばかり考えていましたが、それが結果的には会社経営の足かせになっていたことにも気付くことができました。今では気持ちにも財務にも余裕が生まれ、前向きな経営ができるようになっています。」(法人代表者様より)
私たちの感想
私たちは、不動産は「活用すること」や「売却すること」が目的ではなく、その不動産が会社やご家族の将来にどのような価値をもたらすのかという視点で考えることが何よりも重要だと考えています。
今回のご相談でも、当初は建物活用が前提となっていました。しかし、建物の老朽化や用途変更に伴う多額の投資、将来の修繕負担、法人経営への影響まで一つひとつ整理していく中で、「資産を持ち続けること」が必ずしも最善ではないことが見えてきました。
その結果、不動産・建築・法人経営・財務を一体で考えたことで、売却による現金化という最適な選択肢にたどり着き、さらに事務所移転や新たな事業環境の整備まで一貫してお手伝いすることができました。
私たちは、目先の不動産活用だけをご提案するのではなく、お客様の経営や人生全体を見据えたコンサルティングこそが、本当の不動産コンサルティングであると考えています。
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