複数不動産を一元管理し、資産全体の最適化を図る提案をした不動産コンサルティング事例
◇コンサルティング概要(Before → After)
ご相談前(Before)
- 複数の不動産を所有していたものの、それぞれを別の管理会社に委託していた
- 管理会社や施工会社から提出される修繕提案・見積の必要性を判断できなかった
- 修繕内容や工事金額が適正なのか、オーナー自身では判断しにくい状況だった
- 所有する不動産全体を見渡したうえで、修繕・建替え・売却などの優先順位を判断する体制がなかった
コンサルティング後(After)
- 所有不動産全体を一つの「資産」として捉え、総合的に管理・判断する体制を構築
- 現在の管理状況や修繕提案について、オーナーの立場から整理・助言
- 個々の不動産だけではなく、所有資産全体の優先順位を考えながら意思決定できるようになった
- 将来的な大規模修繕、建替え、資産の入れ替え、相続・事業承継まで見据えた管理体制をご提案

◇コンサルティングの詳細
1)相談者の状況
複数の不動産を所有されているオーナー様から、次のようなご相談をいただきました。
「管理会社や施工会社から修繕の提案や見積を受けていますが、本当に必要な工事なのか判断できません。
修繕の内容や金額が適正なのかについても、オーナーとして判断するための知識が十分ではありません。
将来的には大規模修繕も必要になると思いますが、調査から計画、施工会社の選定、工事監理まで、どこに相談すればよいのでしょうか。
一つの不動産だけではなく、所有している不動産全体を見ながら、何を優先すべきなのかについても助言してほしいと考えています。」
相談者プロフィール
相談者
- 複数の不動産を所有するオーナー
- 不動産所有会社の代表者
- 相続により複数の不動産を取得
- 所有不動産について、長期的な資産管理のあり方を検討していた
不動産・法人
- 1.中央区銀座にある雑居ビル
- 2.港区赤坂にある店舗ビル
- 3.大田区上池台にある1棟マンション
- それぞれ異なる立地・用途・収益構造を持つ不動産を所有
- 各不動産について、それぞれ管理会社によるPM・BM業務が行われていた
ご相談時の状況
相談者様は、複数の不動産を所有されていました。
日常的な建物管理については管理会社に委託していましたが、管理会社や施工会社から提出される修繕提案について、「本当に今、この工事を行う必要があるのか」「提示された金額は妥当なのか」をオーナー自身で判断することが難しい状況でした。
また、修繕は一つの建物だけを見て判断すればよいものではありません。
ある建物に大きな修繕費を投入する一方で、別の建物では建替えや売却を検討したほうが合理的という可能性もあります。
しかし、それぞれの不動産を個別に管理しているだけでは、所有資産全体の中でどの不動産を優先すべきなのかを判断することが難しくなります。
そこで今回は、個別の修繕相談にとどまらず、所有されている不動産全体を一つの「資産ポートフォリオ」として捉え、長期的な運営管理について検討することになりました。
2)抱えていた問題
今回のご相談では、主に次のような課題がありました。
- 修繕提案の必要性を判断しにくい
- 修繕内容や見積金額の妥当性を判断できない
- 大規模修繕に向けた中長期的な計画がない
- 施工会社の選定や工事監理について相談できる相手がいない
- 複数の不動産について修繕の優先順位をつけにくい
- 建替え・改修・売却などの選択肢を総合的に比較できていない
- 将来的な相続・事業承継まで含めた資産管理の体制が整っていない
特に重要だったのは、「建物ごとの管理」と「所有者としての資産管理」は別の問題であるという点です。
管理会社は、日常的な建物管理や入居者対応などにおいて重要な役割を担います。一方、オーナーには、複数の不動産を含めた資産全体について、長期的な視点から経営判断を行う役割があります。
そのため、管理会社に管理を任せることと、オーナー自身が資産全体を管理することは、両立させる必要があります。
3)コンサルティングを提供するために確認したこと
まず、現在の不動産管理の状況について詳しくヒアリングしました。
確認したのは、単純な修繕履歴だけではありません。
- 各不動産の所在地・用途・規模
- 現在の管理体制
- PM・BM会社との契約状況
- 入居状況・賃貸状況
- 過去の修繕履歴
- 現在提出されている修繕提案
- 修繕費用の内容
- 建物の築年数・状態
- 今後想定される大規模修繕
- 不動産ごとの収益性
- オーナー様の今後の資産保有方針
- 将来的な相続・事業承継の可能性
などを整理しました。
そのうえで、現在の管理会社との関係についても確認しました。
私たちは、管理会社を介さずに別の会社へ修繕工事を依頼することを、最初から選択肢とするのではなく、まず現在のPM・BM会社と十分に話し合うことが重要だと助言しました。
管理会社は、単に建物を維持管理しているだけではありません。
入居者との関係を築き、日々の運営を担っているため、建物の状態だけではなく、入居者側の事情も含めて判断しています。
そのため、修繕について疑問がある場合も、まず管理会社に「なぜ、この工事が必要なのか」「いつまでに実施する必要があるのか」「他の方法はないのか」などを確認し、オーナーとして納得できる形で意思決定することが重要です。
4)コンサルティングを実行した流れ
① タイムチャージ型(現状把握・課題整理)
まず、所有されている不動産全体についてヒアリングを行い、現在の管理状況、修繕提案、オーナー様が抱えている疑問や不安を整理しました。
個々の修繕について判断するだけではなく、「所有資産全体の中で、どこに資金を投入するべきなのか」という視点から現状を分析しました。
↓
② 現状分析・助言
管理会社や施工会社から提出されている修繕提案について、内容や必要性を確認し、オーナー様が判断するための材料を整理しました。
また、修繕を実施する場合だけではなく、時期をずらす、別の方法を検討するなど、複数の選択肢を比較しながら助言しました。
5)今後のご提案
③ 顧問契約型|不動産の運営管理
継続的に不動産の運営管理を支援する顧問契約をご提案しました。
オーナー様の代理人的な立場から、各不動産について管理会社と連携しながら、必要な修繕や維持管理について確認・助言する体制を整えます。
そして、個々の建物について修繕するかどうかだけではなく、
- 大規模修繕
- 建物の長寿命化
- 建替え
- 資産の入れ替え
- 売却
- 次世代への承継
なども選択肢として検討しながら、所有不動産全体の最適化を目指していくことが望ましい管理形態になります。

6)コンサルティング後の感想
ご相談者様から、次のようなお言葉をいただきました。
「不動産の管理会社から提出される修繕提案・見積について、その必要性が判断できずに困っておりました。
その必要性や内容、金額の妥当性について助言してもらえることに加え、将来的な大規模修繕における施工会社の選定などについても、オーナーの立場で助言と管理をしてもらいたいと考えていたところ、今回の出会いとなりました。
オーナーとしては、一つの不動産だけを見るのではなく、所有しているすべての不動産について優先順位をつけながら判断していきたいので、オーナーと同じ立ち位置で支援してくれる会社があることは、本当に助かります。」
私たちの感想
私たちは、複数の不動産を所有されているオーナー様ほど、「建物管理」と「資産管理」を分けて考えることが重要だと考えています。
管理会社による日常的なPM・BM業務は、不動産を安定して運営するうえで欠かせません。
しかし、オーナーとして考えるべきことは、目の前の一つの修繕だけではありません。
「この建物には今後どれだけ投資するのか」
「別の不動産を優先したほうがよいのではないか」
「修繕して長く使うのか、建替えを検討するのか」
「保有し続けるのか、資産を入れ替えるのか」
こうした判断には、所有する不動産全体を俯瞰する視点が必要です。
また、複数の不動産を所有されている場合、その管理方針は将来的な相続や事業承継にもつながります。
どの不動産を残し、どの不動産を売却するのか。どの建物に投資し、どの建物については現状維持とするのか。
こうした判断を早い段階から整理しておくことで、将来の選択肢を増やすことができます。
私たちは、不動産は単に「建物」や「土地」として管理するものではなく、所有者の大切な「資産」として捉えるべきだと考えています。
一つひとつの不動産を丁寧に維持しながら、資産全体のバランスを見て、必要なところに適切な投資を行う。
それが、複数の不動産を長く守り、次の世代へ引き継いでいくための重要な考え方です。
私たちは、目先の修繕工事だけをご提案するのではなく、オーナー様の資産全体を俯瞰し、長期的な不動産経営、相続、事業承継まで見据えた総合的なコンサルティングを大切にしています。
不動産を「所有する」だけではなく、「守り、活かし、次の世代へつなぐ」。
そのためのパートナーとして、長期的にお客様の資産形成を支えていくことが、私たちの役割だと考えています。
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